PIN(ぱいん)取材こぼれ話(第3話)
PINでご紹介している県内の様々な取組。紙面では掲載できなかったお話や取材時のエピソード、取組のその後などを「取材こぼれ話」として、少しずつホームページでご紹介します。
第3話
今回は、 2024vol.1の連携事例集②「未来パスポートプログラム」の取材からです。
紙面では、NPO法人未来図書館は岩手で初めて学校現場でのキャリア教育支援を始め、今年で21年目であることをお伝えしました。取材の際、未来図書館の恒川さんと田上さんからの「20年の経験を次の20年につなげたい」との言葉がとても印象に残っています。
今ではよく耳にする「キャリア教育」も、設立当初はまだ一般的ではなく、未来パスポートプログラムの社会人講師を依頼しても、活動の必要性を理解してもらえないだけでなく、心無い態度を示されることもあったそうです。それでも、少しずつ活動を広げる中で理解も進んできており、また、活動内容や教材も増え、現在は、同様の取組が高校の総合的な探求の時間や複数の大学などで実践されているそうです。まさに、キャリア教育の先駆け団体です。
活動を続ける原動力は、団体の活動理念でもある「いつだって、未来への希望は子ども達の中にある」との思いです。岩手県の小学生の自己肯定感は全国と比較して低い状況にあります。さらに、震災を経て少子高齢化・人口減少が一気に進み課題先進地とも言われる岩手において、一人ひとりが活躍できる場が必要と考えています。
子どもたちの知っている世界は限られるけれど、未来パスポートプログラムを通じて前向きになり、また、教科書では学ぶことのできない「自分はどのように生きていきたいか」といった軸を育んでいきます。「取組の継続が、結果として、岩手の子ども達の自己肯定感向上につながればさらに嬉しい」とも話してくれました。
〈写真〉未来パスポートプログラムの冒頭で社会人講師の紹介や流れを説明する様子
社会情勢は日々変化し、子どもたちを取り巻く環境もNPOに求められるニーズも変わっていく中で、これからの活動がどのように展開され、また、活動を支える連携の形もどう進化していくのかとても楽しみです。
PIN(ぱいん)2024 vol.1はこちらからご覧ください。
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