【開催報告】第5回NPO運営基盤強化セミナー「事例から学ぶ事業承継・事業譲渡~組織や事業を続けるための可能性~」
NPO活動交流センターでは、県内NPOのニーズや支援の必要性に合わせた「NPO運営基盤強化セミナー」を開催しています。
第5回目は2026年2月3日(火)、関口宏聡さん(NPO法人セイエン 代表理事)を講師に、「事例から学ぶ事業承継・事業譲渡~組織や事業を続けるための可能性~」を開催しました。
はじめに、関口さんから「NPOの事業承継・事業譲渡について~組織継承と事業承継の違いやその多様なカタチ~」のテーマでお話をいただきました。
ポイントとしては、以下が挙げられました。
・解散から事業譲渡・第二創業まで、多様な選択肢があること。
・組織承継と事業承継とを分けて考え、まずは「何を継ぐのか」を考える。
・NPO法人も事業譲渡(譲受)可能であり、その事例数は増えている。
・早めの準備が大切で、代表一人で抱え込まず外部(※)へ相談することも重要。
→実際の事業譲渡・統合には、早くて半年~1年、通常は2~3年かかるとのこと。
※NPO活動交流センターやお近くのNPO支援センターなど
次に、岩手県内の事業承継・事業譲渡の事例として。
NPO法人mitraito理事長の上田彩果さん、NPO法人本と音の松本玄太さんから、両団体の事業承継・譲渡のお話をしていただきました。
NPO法人miraitoは、岩手町で「いわてユースセンターミライト」の運営を通じて、岩手県北の地域の方々とともに、子どもや若者の支援に取り組まれています。
元々陸前高田市で活動している認定NPO法人SETが岩手町で行う事業として始まりましたが、岩手町での活動を続けていくなかで、地域に根付いたNPOとして事業を運営していく必要性を感じた上田さんは、SETの理事たちと議論を重ね、新法人(NPO法人miraito)を設立し、SETの岩手町を含む県北で行っていた事業を譲渡してもらう形で現在に至っています。
NPO法人本と音は、陸前高田市を拠点に活動していますが、元々NPO法人LAMPとして、陸前高田の特産品である米崎りんごの生産・販売・交流を通じて、地域の後継者創出と育成に取り組まれていました。
松本さんの体調不良で一時活動を休止されたのですが、休止している際に解散や組織承継についても考えていました。ただ、経営状態もあまりよくなかったこともあり、法人をそのまま引き継いでもらうことへの懸念がありました。本当に大切にしたいことは何かを考え、理事やスタッフとの議論を重ねた結果、りんごづくりに情熱を持つスタッフにりんご事業を譲渡し、法人は残した上で名称・目的変更をして再スタ―トしています。
その後、参加者同士で感想共有や質問・疑問について話し合っていただき、最後に関口さん、上田さん、松本さんによるパネルディスカッションを行いました。
テーマは以下の通りです。
①お互いの話を聞いての感想共有
②パートナー(理事、スタッフ等)との関係性について
③事業承継(独立、第二創業)以外の選択肢はなかったのか?
④参加者へのメッセージ
上田さん、松本さんともに、「対話」「コミュニケーション」を大切にされたのだなという印象でした。


